アメリカのジョークは難しい
海外の方、特に西洋人と話していて困ることの一つが、ジョーク。
何か言って、めっちゃ爆笑してるけど、何がそんなに面白いねん!と似非関西弁で突っ込みたくなるような、状況になります。
西洋、特にアメリカの人のジョークを分析していて、なんで一緒に笑えないか分析したところ、2つの理由に至りました。
1.そもそも英語で何言ってるかわからない
口頭のコミュニケーションでなく、字にしてもらっても、その意味が分からないときがあります。そうなると、笑う笑わない以前の問題として、コミュニケーションとして成立していないことになってしまいます。
2.言ってることはわかるけど、「で?」となってしまうパターン
英語として、日本語に翻訳できるけど、「それでなんなん?」「何が面白いん?」となってしまうことがあります。これは、文化として「笑いのツボ」が違うんでしょうね。
よく笑うポイントとして、「単純に馬鹿げていること」や「すこし批判や社会風刺を含んだブラックユーモア」が好きなのかな~と推測できるような気がします。
以下、いくつかアメリカンジョークを紹介します。笑いの感覚を掴む手助けになると幸いです。
(たぶん、心からは笑えないけど、理論として「こういうことが面白んでしょ」と納得しながら、一緒に笑うことができればいいなと思っています)
“I thought lacrosse was what you find in la church.” – Robin Williams
Robin Williamsは有名なコメディアンです。
笑うことが病気療養に有効だと信じて、患者を笑わし続けた医者の実話をもとにした「パッチアダムス」、ピーターパンをもとにした「フック」、才能ある青年の心を解放させるカウンセラーだが、実は自分も死に別れた奥さんを心に引きずっている「グッドウィルハンティング」など、様々な映画に出演しています。
個人的に一番好きなのは、「Dead Poet Society」、邦題は「今を生きる」という名の、規律の厳しい全寮制学校での、生きるとは何かを問う作品。最後のシーンで、生徒が自分の心を破り、ある行動をしながら、「Oh captain, my captain」と呼応するシーンは、ジーンとしてしまいます。
さて、その彼のジョークの一つ。直訳すると、「ラクロスというスポーツは教会で見つけられるものだと思うよ」。意味が全く分かりません。この文の面白さは、定冠詞「The」をフランス語か何かの定冠詞「La」に変換し、「Church」を十字架である「クロス」に変換することで、「La Church」=「La Cross」=「lacrosse」となることにあるようです。
ダジャレ!!
もう一つ、Robinの作品。
“If you can remember the 60s, you weren't there.” – Robin Williams
直訳は、「もしあなたが1960年代のことを思い出せるというのであれば、あなたはその時代を生きた人でないでしょう」というもの。
この意味は、1960年代アメリカではドラッグが大流行し、当時の若者であればドラック漬けになっていて当時のことは覚えていないはずという、社会情勢を指摘したブラックユーモアになるようです。これは気の知れた海外の人に使っても、ウケることがあります。
ほかの方のジョークはこんなものがあります。
“When someone hands you a flyer, it’s like they’re saying, ‘Here, you throw this away.'” – Mitch Hedberg
「誰かが(道端で配っているいるような)広告を渡してきたときは、『ほら、あなたが投げ捨ててください』といっているようなものです」
無意味と思いながら、やっている行動を面白おかしく風刺していると理解しました。
“Babies are like poems. They’re beautiful to their creator, but to other people they’re silly and very irritating.” – Doug Stanhope
「赤ちゃんは詩のようなものだ。赤ちゃんも詩も作者にとっては美しい、だが他人にとっては馬鹿げていてイラつかせるものだ」
詩を作るということの、作者が悦に浸るというナルシシズムを馬鹿にしたジョークのようです。
“I like rice. Rice is great when you're hungry and you want 2,000 of something.” – Mitch Hedberg
「私は米が好きだ。米はお腹がすいていて、2000個ぐらい何かを欲しているときに、とても素晴らしい」
米は一粒一粒が小さく、言ってみれば、一気に数千個のものを食べていることになりますよね。そのことが面白いようです。。。
“If you think nobody cares about you, try missing a couple of payments.” – Steven Wright
「もし、誰もあなたのことなんか気にしていないと思うのであれば、いくつかの支払いを滞納してみるなさい」。そうすれば、誰かが催促に来る=あなたのことを気にかけている人がいるでしょという、本質的には気にかけられていないが、現金に誰かは来るというブラックユーモアです。ブラックユーモア系は理解しやすいですね。
“I was playing chess with my friend and he said, 'Let's make this interesting.' So we stopped playing chess.” - Matt Kirshen
「私は友達とチェスをしていた。友達は『もっとチェスを面白くする方法を考えよう』と言ったので、結果として私たちはチェスをすることを辞めた」
チェスって面白くしようがない、つまらないゲームだということを皮肉ったジョークです。皮肉系も爆笑はできないですが、言わんとすることはわかりますね。
これかも、もっと英語上達の為にジョークは理解していきたいと思います。