長所を見る
人間関係、特に人と信頼関係を築くことについて、学びたいと思っています。
その理由は、人との関係が上手くいっているときは、心が安定し幸福を感じる一方で、上手くいかないときは、何か心にひっかかりがあり、すっきりしない日々となってしまうためです。
土光敏夫さんの名言集を見ている中で、信頼関係構築に有効そうな言葉あったので、学習として記録します。
長所を見る
人間はすぐに人の欠点に目が行きます。しかし、本来人は良いところと悪いところのセットで人間といえるのではないでしょうか。
そして、相手を信じ、相手からも信じてもらうには、相手の良さを見つめ、認め、伝えることが重要だと考えていました。
著者も同様のことを言っていて、長所を見るため社員をクビにはしないとのことでした。
人は、すぐあれはこの点が駄目だと欠点をいうじゃないですか。神様 はそんなことしませんね。誰だって長所があるもんだ。長所をみない で人事をやるなんておかしいですよ。そういうところで外れた人はぼくの直属にします。それがぼくのやり方ですよ。
土光敏夫 信念の言葉 (PHP文庫)
これからも美点凝視で生きます。
短所を知るに要せず
江戸時代の思想家、荻生徂徠の言葉
「人はその長所のみとらば可なり。短所を知るを要せず」
を引用したうえで、完璧な人間はおらず、人間の長所短所に人生の妙味があると著者は述べています。
この言葉の意味は、「人は長所のみを捉え、短所を知る必要はない」ということです。江戸時代から、人の長所を見つめる姿勢の重要性は説かれていたようです。
人が人をみる場合、とかく長所はみたがらず、短所をみたがる。飲み屋でのサラリーマンの会話を聞いていると、そのことがよくわかる。
土光敏夫 信念の言葉 (PHP文庫)
相手を心から認める姿勢
人間は人と対峙するときに、「肯定的態度」と「否定的態度」があると主張されています。
肯定的態度は、相手の発言を相手の立場になって聞き、同意できる点を探る。
否定的態度は、相手の発言を相手の立場で受け止め、反論する点を探る。
否定的な態度をとってしまう理由は、人間として自己防衛や自己顕示といった気持ちがあるためのようです。
肯定的な態度が、人との良い関係を築くきっかけになるということです。人のどこに賛成できるか、コミュニケーションの中で意識していきたいと思います。
相手の提案に対しては、それを心から認めてあげることを惜しんではなる まい。肯定的態度こそが、組織間の葛藤を乗り越える 間的な契機になる ことを知るのは、とても重要だ。
土光敏夫 信念の言葉 (PHP文庫)
自分としても人の長所を見ることは気持ちがいいし、見てもらうことも嬉しいです。まずは自分から変わっていきたいと思います。
創造的になるために、がんばらない
仕事において、より大きなインパクトを出したいと思ったときに、何をすればいいでしょうか。
「がんばらない」ことが仕事の価値を上げるための重要なこと
というのは、Googleで人材開発をしていたピョートル・フェリクス・グジバチさんの「ゼロからイチを生み出せる!がんばらない働き方」で主張されていることです。
この「がんばらない」ことの意味と、なぜ「がんばらない」ことが重要であるかの理由について、学習します。
創造的な仕事ができる条件とは
求めるインパクトが出るようなアイデアや思考は、頭に余裕があるときに生まれてきます。
これは、忙しさで頭がいっぱいになると、日常の延長線上にある発想以外を思いつく余裕がなく、新たなアイデアが生まれないためだと思います。
また、エネルギー高く、自分の使命に集中している人は、フロー状態に入っているといえます。この状態は疲れずに、短時間で高いアウトプットが出せるようになります。
本書によると、1日のうち5%程度しかフロー状態になれていないようです。この時間を長くすることも創造性を高める条件といえます。
日常の仕事を振り返ると
頭に余裕を持ちながら、集中状態に入ることが、創造的になるために重要としたときに、日常を振り返るとどうでしょうか。
次から次に来る依頼に対して、重要度や必要性を吟味することなく、どんどんリスト化し、こなしては増え、こなしては増えという「作業」を繰り返してしまっていることがないでしょうか。(私はあります)
この状態は、To Doを「がんばる」ことに忙殺されて頭に余裕がなく、その一つずつのタスクも大して挑戦度がないことが多く、フロー状態に入っているとも言えない気がします。
創造的になるために、「捨てる」
そのような状況を脱するために著者が言っていることが、いったん頑張ることをやめるということでした。
その作業は、自分がやる必要があるか、今やる必要があるか、そもそも必要があるかということを落ち着いて考える。そして、自分がやるべきと思ったことに、自身のエネルギーを注ぐ。それ以外は捨てる。
これが著者のいう「がんばらない」ということの意味です。
明日からできること
がんばらないためにできることのうち、自分として挑戦してみたいと思えたことは以下のことでした。
Not To doリストを作る
仕事の抜け漏れがないように、常にTO DO LISTを作っていますが、著者はやらないことリスト=Not TO DO LISTを作っているようです。
このことに挑戦したいと思えたのは、どうしても「自分でやらなきゃ」や「自分でやったほうが早い」という感情が沸いてしまうので、まずは「やらない」という意思決定の練習が必要だと思ったためです。
リスト化することで、自分としてやらないことを決めて、人にやってもらうことの練習です。
目標の再設定
フロー状態に入るためのコツとして書かれていたことが、「ちょっと手を伸ばしたらできるレベル」の難易度の仕事に取り組むことでした。
もし、難易度の高すぎる業務にあったら、分解して頑張れるレベルに落とし込む、低すぎる業務があったら、やり方をまとめて人にやってもらうというミッションにすることで、丁度よい難易度になるのでないかと考えています。
90分間集中する
グーグルでは「SPRINT」という働き方があるようです。同じペースでやり続けるのではなく、全力でやることと、休養することを繰り返す働きかたです。
締め切りを決めて仕事をすることは、生産性を高めるうえで大切だということは感覚的に思います。グローバルエリートは72%が、仕事の制限時間を設定しているのに対して、日本人は33%というデータもあるようです。
その集中的な働き方をする際に、限度となる時間が90分のようです。
1つのことに集中する単位は、90分とします。それより短い細切れ時間だとまとまったアウトプットが出せませんし、それ以上長くしよう としても、集中力が途切れがちです。その90分間はメールチェックも しません。ブラウザも、仕事に関係のないページは閉じておきます。
ピョートル・フェリクス・グジバチ. ゼロから“イチ”を生み出せる! がんばらない働き方(株式会社 青春出版社)
明日から、自分のスケジュールを90分間ブロックできる場所を見つけ、その時間帯に重要度の高い仕事へ挑戦してみたいと思います。
その他にも、働き方に関する記載がありますが、共通している思想として、「その仕事のアウトプットと価値は何なのか」をとことん考える癖を感じました。
日本において、「その仕事何の意味があるんすか?」と言ったら、怒られる、嫌われる、干される可能性がありますが、そういった成果に対する率直な議論ができる環境や関係性を構築できるということが、組織で働く時の創造性向上において、肝になるんだろうと学びました。
まずは、小さな「しない」決断をすることから。
出世する人の共通点/会社における優秀さ
会社生活において、誰を昇進させるかは会社としても社員としても、もっとも重要な意思決定の一つだと思います。
いわゆる出世する人の共通点について、ある調査結果があり、緩い学習の一つとして共有します。
3つの共通点
本調査結果によると、上場企業の若手役員の共通要素として、以下3つが抽出されました。
1)自信因子:自分の能力に自信がある
2)戦略因子:様々な戦略の提案と実行ができる
3)調整因子:実行に必要なリソースの調整ができる
本調査ではそれ以外にも、
- 上昇因子(出世への意欲)
- 異体験因子(海外や出向経験)
- 社外情報因子(会社外との繋がり)
- 責任因子(責任を任されていた)
- 上司因子(良い上司に恵まれた)
という因子も抽出されましたが、若手役員への昇進という観点では、上記3点が一番寄与していたようです。
因子とは
因子とは、ある結果を成立させるための元となる要素です。
出世するために重要そうな要素はたくさんありますが、その要素の背景に共通する何かがあり、グルーピングするのが因子分析で、上記3点はある複数の説明要素(出生に影響がありそうな要素)の共通項になります。
たとえば、戦略因子は
- 常に提案を出し、その実行に力を入れてきた
- 自分で考えたビジョン、戦略を部下に示してきた
- 常に企業変革、社員のマインド変革を心がけてきた
という3つの問いに対して、相関関係を持った回答傾向、つまり1問目の回答がポジティブである場合、2問目、3問目についてもポジティブな回答になる傾向があるということです。
もっと身近な例でいうと、国語・算数・理科・社会・英語の期末試験があった時に、算数の結果が良い生徒は理科も良い傾向、国語の結果が良い生徒は社会の結果もよい傾向にあるという分析結果が出た場合、その共通点を因子と呼びます。
そしてその因子は「文系科目」や「理系科目」と名づけると、しっくりきます。
出世したい人がとるべきアクション
もし、この調査結果を信じるのであれば、出世したいひとは、自信をつけて、常に戦略を示し、調整上手になるということを目指す必要があります。
自信については、生まれ持った性格もありますが、何か一つでも集中して努力し、成果を上げていくことで高まるのではないでしょうか。本調査の紹介においては、「小さな成功体験を積み重ねること」の重要性が記載されていました。
戦略因子は、個人的に最も難しいと思う点です。常日頃から自分の頭で考える癖をつけることが基本だと思いますが、そのために何をすればいいのかは、さらなる調査・勉強が必要です。
調整因子は、信頼関係で、最終的に人として他人に配慮し、正しいことをし続けられるかだと思います。この信頼関係の構築も、言うは易しで、さらなる学習が必要です。
出世以外の道で生き残るためには
と書いたものの、個人としては出世して、きつい責任の中で、大きなことを成していくことよりも、自分のできることで人の役に立ち、自分のできる範囲で生き、心穏やかな生活のほうが良いのではないかと考えることがあります。
そのような人生を志向する場合は、やはり高い専門性が必要とのことでした。さらには、人を巻き込む力、先を見通す力も重要で、その力があれば出世にとらわれず、会社にとらわれず、自分の好きな仕事を好きな範囲で極めながら、生きていくという人生を実現することができそうです。
出世する、しないに関わらず、生きていくためには何かしらの価値を提供していくということは共通なんだなと再確認し、そのためにも緩くでも継続して学習・成長していきたいと思いました。
(学習文献)
- 作者: 西山昭彦;八代比呂美;高橋かのん
- 出版社/メーカー: きこ書房
- 発売日: 2011/01/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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